No study nor picture, no life.

一日「一学習 or 一写真」

細胞とウィルスの関係について|いま話題となっているvirusを綴ってみよう

virus 感染症
高齢者率が高い田舎では、相変わらず各種 virus 感染者は多いようだ。
また熱発すると・・・相変わらずの「発熱外来」へ行けと言う。
 
英語だとvirusで、英語発音だとヴァイラスとなる。
日本語だとローマ字読みのヴィルスを濁点を除いてウィルスと呼ぶのが一般的になっている。(学術用語集などに存在するので。)生物ではない。他者の細胞に入りこみ自己の遺伝子核酸から機能を発揮する、核酸+タンパク質集合体。生物ではないと言う意味は、生物の定義は細胞からなり自己複製できることだから。(ちなみに、生物には単細胞から多細胞生物までまさに多様である。)
 
最近の(うましか)tv界で「ウィルスを殺す」なんてわけのわからない発言を聞くのだが、ウィルスは断じて生物ではないことを強調する。だから、ウィルスを殲滅するためには粒子をなんとかして破壊しない限り、「いわば<死んだ>状態」にはならないのだ。
知る限り、高圧蒸気滅菌が最もよいと思う。1気圧下では水は100度摂氏で沸騰する。大気圧+1(=2)気圧にすれば水は121度摂氏まで沸騰しないことが知られているので、その温度121度の中に20分程度おいて粒子を完全に破壊するわけ。家庭では、圧力釜というのが市販され+1気圧かけて水を121度沸騰させられる釜に相当する。
fluウィルスでは、塩素系さらし粉とか75%程度のエチルアルコールとかで「消毒する」?!と言われることがあるようだけど、我が輩は効果の程はよく知らない。
 
 ウィルスは、遺伝子(2本鎖あるいは1本鎖のDNAとかRNA)とそれを取り囲み(守る)タンパク質などの構造体のみを持つ。それ自身では、遺伝子を発現してその機能を働かせることはできない。いきものの細胞の中に侵入し、細胞の遺伝子発現装置を拝借してvirusの持つ遺伝子を発現・機能させる粒子ということである。このウィルスが増殖する細胞を宿主(しゅくしゅ)と呼ぶことがある。あるいは宿主細胞と。ウィルスは、主として真核細胞生物を宿主とするもので多くの病原体となることが知られている。(吾輩の)偏見としては、RNAウィルスがそのなりたちから遺伝子変化しやすいので病原体としてたちの悪いものが多い気がする。インフルエンザ、ポリオ、ノロSARS, など枚挙にいとまがないくらい。原核生物・細菌のウィルスを特にバクテリオファージ(bacteriophage) と呼ぶこともある。かの有名な黄熱病菌(野口英世の発見とされた)の存在発見は嘘で現在は病原体としては別のウィルスが同定されている。野口医師の名誉のために言うと、当時はウィルスという概念は知られていなくて観察方法がなかったわけである。
 
 細胞が長さとして1 micro(1/100万) meter 程度なら光学顕微鏡で観察することができる。しかし、ウィルスはその1/10以下 程度なので光学顕微鏡ではなく電子顕微鏡でしか可視化できない大きさである。それで、昔、濾過性細菌と呼ばれたこともある。セルロースの膜(セロファンとかよばれるものもある)などの穴でも通るので、ふつうのマスクでは当然すり抜ける。(よく予防とか言ってマスクをするけれど、ウィルス粒子をトラップするのではなくそれが付着したある程度の大きさをもった塊などをトラップするために使うと理解する方が科学的に正しい筈だ。)最も下等な細胞は細菌だったとするとウィルスとの境目にそれより下等と考える生物がその後知られてきた。リケッチャ、クラミジア、がそうである。生きている細胞がないと増(いきものではないので-殖-を使っていない)えることがない筈なので、ウィルスは細胞=いきものより後に出現したと考える方が合理的だと考える。
 
 また、ウィルスと同様な生物ではない粒子あるいは物質として、prion(プリオン)も発見された。プリオンは異常になると、BSEとかヤコブ病をひきおこす物質となることでその存在が知られるようになった。
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